新左営駅から明潭路をとおると、蓮池潭が見えてくる。
池の周りが公園になっているので、そこから入り散歩道をしばらく歩くと壁に囲まれた大きな建物が見えてきた。
台湾最大といわれる高雄の孔子廟だ。
目次
高雄の孔子廟の解放時間
よく見ると、中国語と英語で解放時間は朝9時から夕方17時までで、月曜日はお休みと書いてありました。
ドアを開けようとすると、鍵がかかっていて開かなかったので、なんだ今日はお休みか!と思いながら、飾り窓から見える孔子廟をスマホで撮りました。
お休みで中に入れないのでしょうか。
壁づたいに歩いていくと、正面の門(大成門)に着いた。
あれっ開いてるぞ!
入口に3人くらいのおじさんが座っていて、なかに入れと手招きしている。
近づくとここに名前を書いてといわれ、名前を書くと、「どこから来ましたか?」と尋ねられました。
「日本です」と答えると、日本語で書かれた孔子廟の案内をくれました。
孔子が祀られている大成殿
なかに入ってまずは、真ん中の大成殿に向かいます。
大成殿へと上がる階段には、龍の装飾がしてあります。
台湾のどこのお寺に行っても、階段に大体このような装飾がありますが、色が入っているのは珍しいですね。
大成殿では孔子のお位牌が祀られています。
天井には、左右に燈明が掛けられています。
エルメスのマークみたい。
孔子の弟子などが祀られる東西廡
大成殿を向かって左に出ると西廡へつづきます。
「廡」は、廻廊のことをいって、大成殿をぐるっと囲んでいます。
西廡には、孔子の弟子や歴代の有名な学者または儒家の神牌が祀られています。
東と西に亨堂があり、なかには歴代の「先賢」と「先儒」の位牌があります。
西廡には先賢39名、先儒38名、東廡には先賢40名、先儒38名が祀られています。
数ある孔子廟のなかでも圧巻です。
廻廊の天井や軒は細部まで見事に装飾されています。
廻廊も素晴らしいです。
孔子の五代前までの祖先が祀られる崇聖祠
大成殿の真裏にあたる崇聖祠では、孔子の五代前までの祖先が祀られています。
孔子の祖先とともに、四人の弟子の祖先や宋代の有名な儒家の祖先も祀られています。
現在の高雄にある孔子廟は、もともと別のところにあって再建されたものですが、崇聖祠だけは、元の場所にのこっており、三級古跡に認定されています。
崇聖祠が残る旧城国小学校
高雄孔子廟の歴史:
高雄市の孔子廟は清朝前期に創建され、1684年揚芳声により興隆荘(現在の旧城国小学校一帯)に建てられました。1895年日清戦争後、日本の統治下に置かれたため孔子廟は荒廃しましたが、その後、旧城国公学校になり利用されましたが、荒れた状態の崇聖祠と碑林(石碑の集合体)を残すのみでした。1973年高雄市長の王玉雲が再建にとりかかり、1976年に蓮池潭のほとりに落成しました。
旧城国小学校内にある崇聖祠と碑林は、高雄市の三級古跡に認定されています。
蓮池潭のすぐ近くなので、こちらにもぜひ訪れてみてください。
檽星門はじめ数々の門があります
入ってきた大成門から出ると、正面に檽星門が見えます。
檽星は文曲星ともいわれ、古代人は文曲星が教育・文学を司る星と信じていたので、孔子廟の一番目の大門につけられました。
檽星門と大成門の間に、西向きに「礼門」東向きに「義路」があります。
孔子廟の中に入るものは、礼に則し義を重んじることが期待されます。
檽星門を出ると西に「泮宮坊」、東に「黌門」があります。
黌門の内部には、文昌祠や明倫堂があり、かつては学問や読書の場所でした。
泮池と拱橋
泮池は檽星門の前にある外向きにカーブした半月形の池で、その池に架かる橋が拱橋です。
科挙(中国の官吏登用試験)に受かったものを、「游泮」あるいは「入泮」といいますが、孔子を祭る際に泮水の水草をすくって帽子に挿したことから、その名の由来になってます。
萬仭宮牆
「萬仭宮牆」の文字は、孔子の77代目の子孫である祭祀官の孔徳成によって書かれた文字で、学問は奥深く近道はないので、一生懸命修行にはげみなさいという意味をあらわしています。
台湾各地にある孔子廟
私が見学していたら、杖をついたひとりのおじいさんに流暢な日本語で話しかけられました。年配の方で、日本統治時代に日本語教育を受けた方でした。
高雄の孔子廟は、こんなにすばらしいのになぜ日本人はここにあまり来ないのか?と聞かれましたが、自分なりの答えは出ずわかりませんでした。
台北から観光に家族で来ていたそのおじいさんは、日本語が話せたようでとても満足していました。
自分の住所を日本語で私に伝え、遊びにいらしてくださいと言っていました。
高雄の孔子廟は大きさで最大ですが、台湾には、高雄の他にも台北や台南にすばらしい孔子廟があります。
まだメジャーな観光スポットでないので、是非足をのばして行ってみたいです。