高雄MRTの美麗島駅には、「光之穹頂」という天井ドームを埋め尽くす装飾があり、世界的に美しい駅と称されるほどです。
六合夜市へ歩いて5分位のところにあるMRTの駅で高雄駅からはひと駅です。
ホームや駅構内がとても広く清潔で近代的な造りになっています。
複雑な内部構造
地上にはエントランス、地下1階には「光之穹頂」があるコンコース、地下2階に橘線、地下3階に紅線がそれぞれ入っています。
少し複雑な内部構造になっていて、地下2階橘線のコンコース部分に道路が走っているため、上下線それぞれ個別に改札口が地下1階にあり、上下線のホーム間を行き来することができません。
上下線を行き来するには、通常、地下3階紅線のホームを経由していくのですが、この複雑な構造ゆえ一旦地下1階改札口から出てしまっても15分以内なら入場可というルールがあり、地下1階から行き来することも可能です。
これはその複雑な内部構造の為、美麗島駅に限っての特別なルールです。
私も改札口へ向かうとき案内看板に沿って歩いたつもりが迷いました。しかも通路が長くて疲れました。
そこは人に聞きまくってたどり着きましたが、あせっていて余計に疲れました。(笑)
「光之穹頂」に到着
少し苦労して到着したので、「光之穹頂」を見たときの感動はひとしおでした。
この作品の名は、「光之穹頂」(Dome of light)といって作家である、Maestro Narcissus Quagliataによるもの。
イタリアで1942年に生まれ、サンフランシスコでアートを学びグラスアートを作り始め、今ではメキシコに住みながらアメリカやヨーロッパで活躍しています。
2本の柱は静と動をあらわし、ドーム天井は水、土、光、火のテーマで描かれています。
水は生命の誕生と育み、土は自然との共存及び成長と繁栄、光は精神の想像性、火は破壊と再生する家族愛を表現しています。
4500枚のステンドグラスを手づくりで制作し始め、4年半の歳月をかけて完成させました。
毎日3回、11時15時20時にショーがあって、音楽が流れながらキラキラと輝きます。土日は、それに17時と19時が加わります。
バシバシ調子の悪いスマホで撮りましたが、せっかくなので画像アップします。w
美麗島駅名前の由来
美麗島駅から地上に出ると、道路が交わるロータリーになっています。
ここはかつて、美麗島事件が勃発した場所で、駅名もそれに由来するものです。
美麗島事件は、国民党独裁体制から民進党へ政権が変わる変換期において、台湾国内の政治情勢を語るうえではとても重要な事件に位置します。
エントランスは日本人設計家高松伸によるもの
地上階のエントランスは日本人である高松伸が設計したものです。
高松伸さんはキリン本社ビルや国立劇場おきなわなどで知られる、日本を代表する設計家で、自ら展覧会を開いたりするとてもビッグな設計家です。
美麗島駅だけでなく台北、台中、台南、新竹、花蓮などに設計した建築物があり、台湾の業界でもとても知られている存在です。
このメインエントランスは、800種類の異なる形状のガラスで形成され、3次元の曲面で表現されています。
ロータリーにある4基のメインエントランスの前には池があり、メインエントランスをよりいっそう引き立てています。
手を合わせてお祈りしているような造形は、その形から「祈りのかたち」と審査委員会が評しました。
ここは、美麗島事件が起きた場所であるので、このような記念碑的なデザインが採用されました。
「光之穹頂」だけでなく、こちらのメインエントランスも見事で一見の価値ありですので、ぜひ地上へ上がってみてください。