台北駅に着いた早々、じっとしている時間はなかった。
せっかくPeachの早朝便で来たので、早く観光へと出かけようと思っていた。
その前に出かけるための手荷物だけをまとめようと、どこかスーツケースを開けれる場所を探していた。
あたりをキョロキョロしてると、傷だらけで味のある木製のベンチに座れる隙間を発見。
隣に座っているお婆ちゃんにニコッとしながら腰掛けた。
治安のいい国だからできるよなと思いつつスーツケースを床におき、パカッと開き必要なものだけ取り出そうとした。
その時、朝から髭も剃っていない自分にふと気づいた。
髭がじょりじょりしている。髭を剃りたいけど、日本のように「お婆ちゃん、私の荷物ちょっと見といてください、お願いします。」なんて言ってトイレにいけないし、せっかく見つけて座れたイスだし、どうしようかなと思った。
まあしょうがないかと思い、そこで電気シェーバーを取り出し、で髭を剃りはじめた。
ジョリジョリ、ジジジ。
となりでお婆ちゃんは、笑顔でこっちを見ている。
スーツケースを開けながら髭を剃りだす日本人。
奇異な日本人に見えたに違いない。
日本のみなさんごめんなさい。
日本を代表して、紳士として失礼なところを見せてしまった。
気を取り直して、手荷物をそろえ始めよう。
お金、ハンカチ、ティッシュ、パスポート、スマホ、日本で買ってきた現地ガイドブック(タビトモ)、サングラス、日よけ止め、扇子などだ。
ウェストポーチにそれらをつっこむと、支度はできたので、お婆ちゃんにバイバイし、スーツケースをコインロッカーへ預けようと、階段を下りた。