スーツケースを開け髭を剃りはじめた日本の紳士~旅ログ~




スーツケース2

台北駅に着いた早々、じっとしている時間はなかった。

せっかくPeachの早朝便で来たので、早く観光へと出かけようと思っていた。

その前に出かけるための手荷物だけをまとめようと、どこかスーツケースを開けれる場所を探していた。

あたりをキョロキョロしてると、傷だらけで味のある木製のベンチに座れる隙間を発見。

隣に座っているお婆ちゃんにニコッとしながら腰掛けた。

治安のいい国だからできるよなと思いつつスーツケースを床におき、パカッと開き必要なものだけ取り出そうとした。

その時、朝から髭も剃っていない自分にふと気づいた。

髭がじょりじょりしている。髭を剃りたいけど、日本のように「お婆ちゃん、私の荷物ちょっと見といてください、お願いします。」なんて言ってトイレにいけないし、せっかく見つけて座れたイスだし、どうしようかなと思った。

まあしょうがないかと思い、そこで電気シェーバーを取り出し、で髭を剃りはじめた。

ジョリジョリ、ジジジ。

となりでお婆ちゃんは、笑顔でこっちを見ている。

スーツケースを開けながら髭を剃りだす日本人。

奇異な日本人に見えたに違いない。

日本のみなさんごめんなさい。

日本を代表して、紳士として失礼なところを見せてしまった。

気を取り直して、手荷物をそろえ始めよう。

お金、ハンカチ、ティッシュ、パスポート、スマホ、日本で買ってきた現地ガイドブック(タビトモ)、サングラス、日よけ止め、扇子などだ。

ウェストポーチにそれらをつっこむと、支度はできたので、お婆ちゃんにバイバイし、スーツケースをコインロッカーへ預けようと、階段を下りた。